そろそろ低摩擦ローラーに限界がきていると思います。
今回はローラーについての内容です。
※本記事の加工方法で難度高と記述のあるものはお子様基準です。
効果の高い加工になる為、これくらいは親がやってあげるのもいいかな、と思って記述しています。
こちらも少し紹介を遅らせました。
高性能なローラーはベアリングが入っており、高価であることが理由です。※ベアリング記事参照
ローラーは2つの材質があります。
- プラスチック
- 軽い
- 耐久性が低い
- 金属
- 重い
- 耐久性が高い
- ベアリングにより高速回転する
ファーストトライセットに付属しているのはプラスチック製です。
多くのレーサーはアルミローラーを使っており、本記事で紹介します。
Step1.ローラーセッティング
まずローラーセッティングについて解説します。
ミニ四駆においてローラーは安定性、スピード、どちらにも大きく影響する重要な要素であり、最低限の知識を有して置くことを推奨します。
苦戦していたコースでも、ローラーセッティングを少しいじるだけでクリア出来ることも多々あります。
ローラーの役割と概念
ミニ四駆はまっすぐにしか走れません。コーナーではコースの壁にそって走っており、遠心力によりマシンは外側の壁に押し付けられています。イメージとしては、壁をローラーで走っているような感じです。
ミニ四駆は合計6個までのローラーを付けられます。壁に対して接地するのは3ローラーのみです。どうすれば安定して走れるのでしょうか?
たからばこセッティング
それを解決するのが「たからばこセッティング」です。実は基本パーツ記事で紹介したファーストトライセットを説明書通りにつけると実現出来ます。
改造を進めて行くと上下の重心が変わってきます。最初のセッティングを元に微調整を行って下さい。
確認方法
電池まで入れた状態で平らな地面に横向きに置き、軽く手押しをします。
- 倒れない
バランスが取れています。
しかし、イレギュラーな力がかかった時に弱いとも言えます。 - ボディ側に倒れる
ボディ側に重心がよっています。一般的には一番問題のあるバランスで、コーナーイン側タイヤが浮きやすく、外側に飛びやすくなります。 - シャーシ側に倒れる
シャーシ側に重心がよっています。安定して走る事が出来まるバランスです。
ただしタイヤに力がかかるため、コーナースピードに影響があります。
倒れるまでの距離が短い場合は、片側に重心がよりすぎています。
なるべく倒れないように、もし倒れたとしてもシャーシ側くらいにローラーの上下位置を調整して下さい。
Step2.フロントローラー
フロントのローラーは着地などの状況以外では、最初に壁に当たるパーツです。その為、マシンの挙動に大きな影響を与えます。特に右前のローラーはレーンチェンジで最初に当たるため、そのセッティングは重要です。
スラスト(角度)
シャーシにそのまま、もしくはプレートを着けた状態で横から見ると、最初から若干、前に傾いています。これがスラストです。
スラスト角(前にどれだけ傾いているか)が強いほど、地面に押しつける力(ダウンフォース)が強くなり、安定して走行する事が出来ますが、タイヤの設置圧が増え、コーナースピードが遅くなります。
前述のレーンチェンジ対策に右前だけスラストを強くしておくというセッティングもあります。
スラスト角の調整にはいくつか方法がありますが、お手軽なのはローラー角度調整プレートを使う方法です。
ローラー角度調整プレートセット
1度~3度の角度をつける事が可能なセットです。
チップも付属しており、前述の右前ローラーだけスラストを強めるといった事も可能です。
しかし、この製品にもいくつか問題点があります。
- 耐久性
- ローラーの上下位置が上がってしまう
上級者はプレートを削る、チップを自作する、チップの代替になるものを使う、といった手法をとっています。
食いつき
ローラーにはそれぞれ壁への食いつきが異なります。
フロントに食いつきのいいローラーをつけるとスピードが下がりますが、安定性が向上します。
スタビライザー
スタビライザーはフロントローラーの上段か下段に取り付けます。
これにより、車体の傾きを補正し、安定した走行が可能になります。
但し、ローラー径にあわせたスタビを選択して下さい。
スタビは回転しませんので、抵抗でしかありません。できるだけ接触しないようにします。
お勧めのフロントローラー
フロントローラーは安定性向上が一番の要件です。
径が大きい程、壁からの衝撃や壁の段差に強く、具体的にはコースの接続部などの段差が大きい場合に有効です。逆に径が小さい程、高速で回転しますので、コーナリングが速い傾向にあります。
アルミローラー
外周がアルミ、520ベアリングを内臓したローラーです。
No | GP | パーツ | 食いつき | 径 |
---|---|---|---|---|
15464 | 464 | HG 19mm オールアルミベアリングローラー | ○ | 19mm |
アルミ2段ローラー
2段になっており、傾いた時に径の違う上段が接触し、カバーします。安定性が高いのが特徴です。
No | GP | パーツ | 食いつき | 径 |
---|---|---|---|---|
15403 | 403 | 2段アルミローラーセット (9-8mm) | ○ | 下段9mm /上段8mm |
15398 | 398 | 2段アルミローラーセット(13-12mm) | ○ | 下段13mm /上段12mm |
ベアリングローラー
ベアリングそのものをローラーとして利用したものです。内径5mmのものは520ベアリングを内蔵し、ダブルベアリングとして高速回転させることが出来ます。
No | GP | パーツ | 食いつき | 径 |
---|---|---|---|---|
15475 | 475 | 13mm ボールベアリングセット II | ○ | 外径13mm /内径5mm |
15344 | 344 | ローラー用 9mmベアリング | ◎ | 外径9mm /内径5mm |
AO-1012 | 850ベアリング 2個セット | ◎ | 外径8mm /内径5mm | |
AO-1008 | 830ベアリング2個セット | ○ | 外径8mm /内径3mm モーター部品のコミュテーターを利用する等の工夫が必要。 |
Step3.リヤローラー
たからばこセッティングを基準に考えるとリヤローラーは左右で2つづつ、フロントローラーに比べ負荷が分散されます。但し、リヤ下段ローラーについては、着地時に壁に接触する恐れがあります。
また、フロントと違い、リヤの食いつきは必要無く、むしろスピードを殺してしまう要素になってしまいます。
お勧めのリヤローラー
プラリング付アルミローラー
No | GP | パーツ | 食いつき | 径 |
---|---|---|---|---|
15426 | 426 | 19mmプラリング付 アルミベアリングローラー(ディッシュタイプ) | × | 外径19mm |
15461 | 461 | 19mmプラリング付 アルミベアリングローラー(5本スポーク) | × | 外径19mm |
Step4.ローラー内臓の520ベアリングを脱脂(高難度)
アルミローラーは購入時に既に520ベアリングが内臓されています。
よく回るローラーを作るには一度520ベアリングを取り外し、脱脂してから改めて取り付けます。
取り外しはお子様の力ですと難しい上、ネジ頭をなめやすいため、手伝ってあげて下さい。
準備するもの
- 片軸用カウンターギヤ
- 適度な長さのビス
- 小ワッシャー
- 大ワッシャー
- ナット
取り外し
画像のようにビスに小ワッシャー、ローラー、カウンターギヤ、ナットの順番で取り付けます。
かなり固いですが、ビス頭をなめないように慎重に締め付けます。
取り付け(圧入)
画像のようにビスに大ワッシャー、ベアリング、ローラー、カウンターギヤ、ナットの順番で取り付けます。
小ワッシャーを大ワッシャーに変えただけです。
斜めにならないよう、慎重にしめつけ、適度にベアリングが埋め込めたらそこで止めます。
Tips:あまり回らない
ローラーからベアリングにかかる圧力が高すぎる可能性があります。
何度も付け外しをする事で少しゆるくなり、改善されます。
Tips:ベアリングの穴がゆるすぎる
ローラーとベアリングの間に嫌気接着剤を塗布します。
この接着剤は空気が遮断されている場合に硬化します。
その為、瞬間接着剤と異なり、ベアリングに影響を与えずに接着出来ます。
ここまでで必要なパーツはそろいました。
しかし、ミニ四駆はコースを走るものです。どんなコースでも最速で走るマシンは存在しません。
次回はコースの各セクションについて簡単に解説します。